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早生まれはデメリットなのか? 私は早生まれです。

 私は2月生まれです。私の人生では今まであまり気にしていなかったのですが、「早生まれはデメリットばかり」という記事がネット上に溢れていることを知りました。

私は私の経験から早生まれは決してデメリットではないと思っています。皆様も、この投稿を最後まで読んでいただければ、早生まれは決してデメリットではないことを知っていただけると思います。

 

早生まれがデメリットと言われる理由

 世間では早生まれはデメリットと言われているようです。その根拠として、東京大学大学院経済学研究科の山口慎太郎教授が公表した論文(Month-of-Birth Effects on Skills and Skill Formation)で、早生まれによる差は幼少期だけではなく、その後も大人になるまで長く続くとする研究結果が良く引用されています。

 確かに私は小学校低学年までは身長も低く、体育の時間はいつも先頭でした。クラスで勉強や運動でリーダー的な存在の子は4~6月生まれだったのを覚えています。そういえば、小学校で最初に憧れた女の子も4月生まれでした。早生まれと遅生まれでは明らかに人としての成長に差があるのは紛れもない事実だったと思います。

 遅生まれの子供は努力をしなくても一般的には勉強もできるし運動も比較的得意なので、先生からも褒められることが多く、自分のやっていることに自信が持て、それが更なる成長を促すことになるそうです。その結果、レベルの高い学校に入学できたり、スポーツで活躍できる機会に恵まれたりして、大人になっても早生まれとの差が固定化してしまうそうです。

 アメリカの社会学ロバート・マートンは、こうした効果を「マタイ効果」と呼びました。新約聖書のマタイによる福音書で語られた「持っている人には更に与えられて豊かになるが、持っていない人は持っているものまでも取り上げられる」という言葉に由来しています。格差は自ら増長する傾向があり、最初の小さい格差は、次の格差を生み出し、次第に大きな格差となるという概念ですが、こうした傾向が、早生まれが遅生まれより不利と言われるゆえんです。

 

その時、早生まれの私は何を感じていたか

 ただ、私の経験で言うと、早生まれの子供は頭の成長も1年近く遅いので、実は自分ではあまり周囲の友達と比較していません。少なくとも私はそうでした。自分が何か劣っていると感じたことはなかったし、逆に自分が出来ないことを遅生まれの友達が出来るのをみて、無邪気にあこがれを持っていたのを覚えています。大人から、「早生まれだから仕方ないよね」と言われたことをおぼろげに覚えていますが、何が仕方ないのか当時は全く理解できていなかったと思います。

 子供が気が付いていない事実を周りの大人が無理やり気づかせようとして、無理な努力を押し付けることで、問題をややこしくしているのではと思ったりもします。要は早生まれの子供は成長が遅いため、良い意味で鈍感なのです。それで何の問題もなく、自分の周りの友達はあこがれの存在ばかりなので、自分の成長に向けたお手本がたくさんいる恵まれた環境にあるとも言えます。

 

実はとがった存在になるのは早生まれ

 遅生まれの子供は努力しなくても出来ることが多いため、自らの能力を最大限に伸ばすには多大な労力が必要になります。一方、早生まれの子供は目標とすべきお手本が自然と周りに多くいるため、あまり意識しなくても、常に誰かを追いかけて成長しようとするため、成長するときは大きく成長します。

 ノーベル賞をとった湯川秀樹さん、大江健三郎さん、益川敏英さん、漫画家の松本零士先生、柴門ふみ先生、藤子不二雄A先生も早生まれです。学年で括られない研究や特定の分野では、個の力が活きることもあり、単なる普通の成功というよりは大成功を成し遂げるという意味で、早生まれの活躍は目立ちます。スポーツの分野、政治の分野でも早生まれの固有名詞をあげればきりがありません。

 学年という教育制度の枠組みで見ると早生まれは一般には不利に見えますが、個人ベースでみれば成長度合いという点で早生まれの方がかえって際立っているケースも多いのも事実です。

 

個の時代では早生まれの方が社会で揉まれた分だけ有利

 現代は昔のような金太郎あめの社会ではなく、個を尊重する社会です。そこには学年や社会人となった年を起点とする入社年次はそんなに関係ありません。こうした社会環境では、早生まれのように、小さいころから早く訓練され、かつ周りにお手本とすべき友人が多い環境の方が有利と言えるかもしれません。

 私の会社は定年は60歳になる誕生月です。早生まれは遅生まれより長く社会で働くことができ、社会に長く貢献できます。特に社会人となってからは、同じ年代では早生まれは若く見られますが、友人との飲み会の場を含め、若く見られるのは案外嬉しいことです。正直、社会人になってしまえば、早生まれの方が良いことが多い気がします。

 

日本の教育制度こそが問題

 早生まれ、遅生まれの問題は、学年で子供を一律に見てしまう現在の日本の教育制度の問題だと思います。今日では、学校の枠組み以外でも教育の選択肢はたくさんあります。留学という選択肢もあります。運動なら地域のサッカーチームに所属するのも良いですし、興味があることがあれば、研究に没頭するのも悪くないと思います。ひとたび教育制度の学年という枠組みから離れれば、早生まれがデメリットと感じることは少なくなるのではないでしょうか?勉強においても、最初から飛び級しているぐらいの感覚で良いと思います。年齢が若いにもかかわらず、人生の先輩と一緒に同じことを経験しているのです。

 少なくとも私は早生まれで損したどころか得したと感じている一人です。早生まれはデメリットばかりというのは周りの気にしすぎですので忘れて、個を伸ばすことに目を向け、やりたいことを極める、そうすれば私の経験を踏まえても、早生まれはきっとメリットにしかならないと思っています。