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キャッシュレス決済について考える

 実は先日、私の使っているクレジットカード会社から、「カード番号変更に関するお願い」という手紙が届きました。要は「クレジットカードが不正利用される危険性があることをシステムで検知したので、任意ではあるもののでカード番号を変更して、カードを再発行をしてください」という内容でした。まだ不正利用が起きているわけではないのですが、気持ち悪いので、「めんどくさいなぁ」と思うものの、クレジットカードは安全に不安がないことが一番大切ですので、この任意の依頼に応じることにしましたが、改めて、キャッシュレスの決済手段として、クレジットカード、デビットカード、そしてQRコード決済について考えてみました。

 今日の投稿は、ポイント還元率というような各社のサービスに着目したものではなく、基本的な仕組みについて比較したものです。皆様のキャッシュレス決済を考える上での参考になれば幸いです。

 

キャッシュレス決済の種類とキャッシュレス拡大の背景

 モノやサービスを購入する際に現金以外で支払うことをキャッシュレス決済といいますが、大きく分けると、①クレジットカード決済(後払い)、②デビットカード決済(同時払い)、③電子マネー(前払い)の3種類があります。

 モノやサービスを売る事業者側からすれば現金の取扱いは非常にコストがかかりますし、そもそも取扱高の集計が面倒です。利用者側からすれば、キャッシュレス決済はお財布の中を現金を気にせずにモノやサービスの購買が出来ますし、銀行から現金を引き出す手間とコストをかけずにすみます。国や公的機関からすれば、IT技術の進歩により、キャッシュレスで決済される方がお金の動きを補足しやすいので、徴税を効率的に行う上でも現金取引が減った方が望ましいです。

 キャッシュレス決済は現金に比べて、事業者、個人、国や公的機関のそれぞれから見てメリットが大きく、海外では既に普及していたこともあって、最近、急速に日本でも広まっています。

 

キャッシュレス決済のそれぞれの特徴

①クレジットカード決済(後払い)

 クレジットカードはお金を借りて物を買うという後払いの手段です。簡単に言えば、借金ですので、返済方法も一括払いや分割払い、リボルビング払いと、お金を借りる方のニーズに合わせて返済方法を提供しています。お金を貸す側からすれば、貸したお金が焦げ付かないように事前の信用審査を厳格に行って信用枠を設定します。不正利用があっても原則全額補償されるなど、補償がしっかりしているのはそのためです。

 信用審査がしっかり行われているため、社会的な信用度が高く、海外でもそもまま使える場面が多いという利点がありますが、まだ収入のない学生が持てない等、クレジットカードの普及については一定の限界もあります。

 日常払いでもクレジットカードを持っていれば最近は「タッチ決済」を使うことが出来ますので、クレジットカードを持てるのであれば、個人の信用の証として、メインとのキャッシュレス手段として、ひとつはクレジットカードを持つことが良い選択だと思います。

 

デビットカード決済(即時払い)

 日本では最近よく聞くデビットカードですが、20年以上前に仕事でイギリスに駐在した当時でも、イギリスの銀行では銀行口座を作った時点でデビットカードを発行していました。デビットカード銀行口座からの即時引き落としという決済方法なので、銀行口座の残高以上の支払いは出来ません。クレジットカードと異なり借金ではないので、銀行口座を持っていれば原則としては審査はありません。

 クレジットカードと比較すると、デビットカードは使用限度額の制約があることがデメリットですが、逆に言えば、使用限度額の制約で使い過ぎを防止できるというメリットと捉えることもできます。ただ信用限度額の範囲内でキャッシュレスのサービスを使いたい場合は、電子マネーでも可能です。

 クレジットカードと差別化するため、通常の決済以外に、例えば外貨の両替サービスなど、付帯的なサービスを充実させている場合もありますので、持つとすれば、クレジットカードが持てるまでのつなぎとして持っておくか、付帯サービス狙いでひとつ補完的に持っておくという手はあると思います。私としては、クレジットカードのタッチ決済が普及している中では、クレジットカードがあればデビットカードは不要と思っています。安全面でいれば、デビットカードもまた、不正利用があっても基本的には全額補償されることが多いようです。

 

電子マネー(前払い)

 SUICAのような交通系カード、WAONのような流通系カードに代表される電子マネーです。生活で良く使うカードにあらかじめチャージして使うものですので、これも審査はありません。日本でデビットカードが欧米に比べて普及していないのは、交通系電子マネーのカードが先に普及していたからとも言われています。

 日常よく使うカードをお財布代わりに出来て、ポイントサービスも充実しているため、一番身近なキャッシュレス決済として日常使いに使われている場合が多いのではないでしょうか?利用実績に基づいた還元率が高いのも特徴ですので、日常使いでは、この決済をメインに使っていこうと思います。

 電子マネーが不正利用された場合の補償については会社によってまちまちですが、クレジットカードと比較すれば、まだ限定されている場合が多いようです。

 

QRコード決済

 QRコード決済は、支払手段というより、正確には、先に述べた3種類の決済の媒体としてスマホを活用している決済手段と言えると思います

 クレジットカード、デビットカード電子マネーの何れも、基本的な考え方として、カードを持っていることが本人確認となっています。それに比べ、「なんとかPAY」といわれるQRコード決済は、指紋認証などスマホの認証技術を活用して本人確認を行っていることが特徴的で、そのスマホで支払いの都度QRコードを生成して、支払う内容を確認して決済を行うというシステムです。逆に言えば、本人認証を不正に行ってQRコード決済アカウントを不正利用され、知らないうちに決済が行われてしまう可能性は残っていますし、そのQRコード決済のアカウントを通じてクレジットカードを不正利用されることもあり得ます。本人に過失がなければほとんどのケースで補償もなされるようですが、限定的な場合もあるので注意が必要です。

 なお、QRコード決済の仕組みについては、現時点では基本的には日本の国内でしか使えないサービスであることもデメリットのひとつと言えると思います。

 

キャッシュレスはどこに向かうのか? -私の当面の対応-

 キャッシュレスの拡大は今後もますます拡大することは間違いありませんが、QRコード決済の普及により物理的にはキャッシュレス&カードレス決済に向かっていると思います。

 但し、キャッシュレスの世界には冒頭に述べたような危険性は常にあるので、その不安を少しでも減らすためにも、日常使いのキャッシュレス決済用の銀行口座については、給与受取口座と分けて置くことが有効かなと考えているところです。

 その上で、やはり使用にあたっての信用や安全面を考えて、大きな買い物やサブスク払い、QRコード決済で対応できない支払いはクレジットカード、その他大部分の日常払いは専用口座を紐づけたQRコード決済としてみようと考えています。皆様はどのように使い分けているでしょうか?