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新NISAが高配当投資と相性が悪いと言われるが本当でしょうか? ライフステージにあった投資の考え方

 2024年からNISAが拡充されるため、NISA枠をどのように活用すべきかという話しが多く語られています。その中で、新NISAでは枠は投資元本で決まるため、「投資信託で利益が再投資された場合は追加で非課税枠を使用せずに運用元本が複利で膨れていくことと比較し、高配当投資のように配当を受け取って、それを再投資してNISA枠を使う場合は非課税枠をその分使用するため非効率」というような意見も多いように見受けられます。果たして本当にそうでしょか?

 投資は自己責任ですし、各人の考え方は違って当たり前ですので正解がある訳ではありませんが、この投稿を読んでいただければ、より皆様のライフステージにあったNISA枠の活用方法がわかると思いますので、最後まで読んでいただければ幸いです。

 

資産運用

ライフステージにあった投資の考え方

 若い方は、多くの方が積立NISAを行っていると思いますが、その目的は資産形成だと思います。FIREという言葉もありますが、十分な資産を形成できれば、将来の自分の生活でお金の心配が少なくなります。資産形成にあたっては、手元の資産を効率的に複利で回すことが有効ですので、そうした意味では、非課税枠があればそれを最大限活用するため、非課税で受け取った利益を非課税枠を使わず元本に組み入れることが出来るNISAにおける投資信託の活用は魅力的です。

 一方、人は必ず死にますから、溜まった資金を自分が死ぬまでに有効活用することも大切な考え方です。お金を貯めるだけ貯めて、お金を使わずに自分が死んだら、せっかく自分の生活を充実させるために資金運用していたにも関わらず、貯めたお金の目的を果たせないことになります。したがって、60歳以降のライフステージでの投資の考え方は、自分の持っている資産を取り崩して自分のために使いながら、出来るだけ長く資産を持たすということが主たる目的になります。

 資産を取り崩す段階になってくれば、NISAの非課税枠を削る段階と言えますので、このようなライフステージの方にとっては、自ずと資産形成段階の若い方とは違った投資の考え方をすることになるのです。

 

NISAの落とし穴

 落とし穴というほどではありませんが、投資は必ず利益が出るとは限りません。損失を被ることもあります。そしてNISAは非課税ですから、ある投資で損失が出ても、特定口座のように他の利益と損益通算を行うということはできません。必ず利益が出来ることを前提とした議論は若干誤解を招く可能性があります。

 一方、配当という意味では、キャピタルゲインがあろうとなかろうと、必ず非課税のメリットを享受することが出来ます。配当狙いの投資をNISA口座で行う妙味はここにあります。

 

60歳以降のライフステージにおける投資行動

 60歳以降、蓄積した資産を取り崩しながら生活する場合、どうせ取り崩すのですから受取配当がある場合、元本を取り崩すよりその配当から使うことになるかと思います。しかもその受取配当は非課税です。

 あとは各人のライフプランに合わせ元本を取り崩すことになります。良く「4%ルール」といって、定年退職時の元本の定額4%を取り崩し、残元本で運用を継続すると、死ぬまでに運用元本が枯渇する可能性が低いということが言われています。

 もっとも、この4%という数字は、60歳以降に働くかたも多いと思いますし、金利や税金の状況によっても大きく変わります。ただ、ここで大切なことは、資産を取り崩しながら残元本を運用し続け、資産の枯渇を先延ばしにするという考え方ですので、その意味で、60歳以降のライフステージにおける投資の目的は、資産形成というよりは、資産が枯渇しないようにすることにあるといえるのです。

 

結論

 新NISAが高配当投資と相性が悪いと言われるますが、これは資産形成期にある若い方に向けたお話しです。しかも、運用で赤字が出ずに上手くいっている場合です。

 60歳以降のライフステージにおける投資の目的は、生活費の一部を資産運用の果実から頂くことになりますので、高配当投資はかなり有効な戦術と言えると思います。

 私は60歳が近づくにつれ、キャピタルゲイン狙いよりインカムゲイン狙いの資産ポートフォリオに修正していくことは非常に理に適っていると考えています。

 皆様はいかがお考えでしょうか?