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キャッシュ・イズ・キング

 シリコンバレー銀行の経営破綻は世界経済に深刻な影響を与えそうですが、金融マーケットではこのような状況下で必ず言われる格言があります。そう、「キャッシュ・イズ・キング」です。シリコンバレー銀行の経営破綻も、預金者の取り付け騒ぎが引き金ですが、人間だれしも、不安になると、まずは投資した資産を本能的にキャッシュに換えようとします。そうした行動を知ることは、自分の行動を考える上で役に立つと思いますので、この投稿が皆様の投資行動を考える上での参考になれば幸いです。

 

「キャッシュ・イズ・キング」の本当の意味

 企業経営では赤字では会社は潰れないけれど、資金繰りに窮すれば会社は潰れるという意味で、「キャッシュ・イズ・キング」という格言を使うケースが多いと思いますが、今回は個人に焦点をあてて考えたいと思います。

 一般には投資資産をキャッシュに換えておけば、資産の目減りを止めることが出来るので、キャッシュ・イズ・キングは「守り」の意味で使われることが多いと思います。実際に、含み損が拡大する資産を抱えてストレスをためるよりは、一旦損失は実現して、キャッシュで保有しておく方が精神的には安心感があります。

 しかしながら、中長期的には、資産をキャッシュのままで保有しても経済成長に見合うリターンを獲得することは出来ないため、実質的な価値は目減りしてしまいます。

 私は、「キャッシュ・イズ・キング」の本当の意味は「攻め」だと思っています。金融不安などは何年かに一度は巡ってきますが、大なり小なり経済的なクラッシュが起きた後は、長い目で見れば投資をする絶好のタイミングが来ることが多いです。手元にキャッシュを貯めて、押し目買いのような中途半端なタイミングではなく、経済が行くところまで行ったタイミングで株式などに投資を行うのが正解と私は考えています。

 

ソフトランディングかハードランディングが

 各国の中央銀行の金融政策は通常は急激な変化を抑えながらコントロールするものと思います。景気が過熱すれば金利を徐々に上げてソフトランディングさせるべく景気を冷やすというのが教科書的です。しかしながら、現在の状況は、例えばに日本では異次元の金融緩和の副作用を覚悟しないといけない状況です。程度は違いますが、諸外国も大規模な金融緩和を続けてきたつけを払う時期に来ていると考えられます。

 さすがに世界恐慌のような事態にはならないと信じますが、私は、金融緩和が行き過ぎて金融市場にはマグマが溜まりすぎたため、今回は私たちが想像しているよりは厳しいハードランディングになるシナリオがそれなりの確率で待っているのではと思っています。もちろん個人的にはソフトランディングを期待しますが、ハードランディングを想定はしておく必要はあるということです。

 

個人の資産はどう守るか

 私は、実体がある資産とキャッシュの割合を増やそうと思います。実態がある資産を増やす狙いは、経済がクラッシュした場合に備えた「守り」です。金(ゴールド)は実態のある資産としては代表的ですが、何か生活に必要なモノがあるのであれば、この際、.購入を検討してみようと思います。また、キャッシュの割合を増やす狙いは、先に述べた通り経済がクラッシュしたあとの「攻め」に転じるためです。

 「攻め」に転じる際は、シンプルに配当利回りの高い日本株に投資し等と思っています。

 なお、私はそんなに銀行口座を分散する必要はありませんが、一般論として、キャッシュについては、ペイオフ対策として念のため各銀行の預金額は保険がきく1,000万円以内としておくことが望ましいです。金融機関の破綻はいつも突然です。余裕のあるうちに対策をしておくことが必要です。

 

まとめ

 ハードランディングの可能性はそれなりにあるのではというのが私の考えですが、単なる可能性ですので、あくまでもシナリオのひとつに過ぎません。しかしながら、流動性が過剰で異常な金融マーケットになっているのは事実ですので、念のための対策は検討しておいて間違いはないです。

 今回のシリコンバレー銀行の経営破綻の影響度合いは誰にも分りませんが、今週の動きは特に注意したいと思います。当面、私は実体がある資産とキャッシュの割合を増やして今後の動向を見守りますが、私の考えは心配し過ぎかもしれません。ひとつの考え方として、皆様のご参考になれば幸いです。