生活に役に立つ知識 by SEKIYA Office

皆様のお役に立つ生活の知識を提供するブログです。

配当落ち・権利落ち

 日本では3月決算の企業が多いため、株式において配当金や優待等の権利が確定する銘柄が一番多い月です。権利落ち日とは、株主として受けることができる権利を得る最終売買日(権利付最終日)の翌営業日のことを言います。配当金や株主優待を取得するためには、権利付最終日に株式を保有している必要があり、権利落ち日以降の買付は株主権利を得ることはできません。この権利落ち日は、権利が配当の場合は「配当落ち」、株主優待等の配当以外の場合は「権利落ち」と言います。因みに、今年の権利落ち日は3月30日(木)となります。

 毎年この時期になると、配当落ち・権利落ちを意識した相場が展開されますので、本日の投稿が皆様のお役にたてば幸いです。

 

配当落ちと株価の関係

 教科書的には、配当はその会社の純資産から株主に支払うものですので、支払ったあとはその会社は配当分の純資産が減ることになります。要するに、配当を行うと、その分株価が下がるというのが理論的には正しいことになります。実際、配当落ち日に株価が下がることはよくあります。

 配当落ちによる株価の下落自体は理論的にも正しいので焦る必要はありませんが、想定外の下落、すなわち株価の急落には注意が必要です。個別株式の動向はその会社の状況に加え相場全体の動向にも影響されるため、急落する株式をあらかじめ見抜くことは不可能ですが、ひとつあげるとすれば、取引高が少ない流動性の低い株式は注意が必要です。流動性の低い株式は、買戻しが入りにくいため、配当落ちによる影響が大きく出やすく、下落するリスクが大きいのです。

 一方、理論的には配当落ちによる株価の下落がある筈でありながら、実際には株価が堅調な場合もあります。そのような株式は業績が好調で将来の期待度が高い銘柄であることが多いので、保有するのであれば、短期保有よりは長期保有がお勧めの銘柄です。

 

株主優待の権利獲得

 権利確定日には、配当だけでなく、株主優待の権利も確定します。日本ではいろいろな会社が株主優待制度を持っていますので、株主優待狙いの個人投資家は多いと思います。株主優待の中にはQUOカードのような金券を提供する会社も多く、通常の配当に加えてQUOカードも得られれば、実質的な配当利回りは魅力的なものとなります。

 株主優待は会社業績に一喜一憂しない個人投資家に人気が高く、個人投資家の買いが多く入ることで株価の底上げに繋がること、また優待目当ての投資家は基本的に保有期間が長い傾向にあり、会社からすれば安定株主を確保するという意味でも有効と言われています。一方、海外の投資家から見るともらっても使えない優待制度も多く、その不公平感から「株主優待を行うのであれば配当に回すべき」といった声があるのも事実です。とは言いながら、配当に加えてもう一つのお楽しみがある銘柄であれば、権利確定日の喜びも二倍かもしれません。

 

配当落ち・権利落ちを狙った株式売買

 配当落ちで株価が下がることを見込んで、欲しい株式を株価が落ちたところで買うといったような作戦(押し目買い)もあるかも知れません。少し専門的ではありますが、空売りをしておいて株価が下がったところで買い戻すといった手法もあります。もちろん、株価の実際の動きは誰もわかりませんから、押し目買いが出来るかどうかはわかりません。そのような場合は、買わないことも大切な判断ですので、株価が下がらなかったら買わないだけと割り切ることも大切です。

 配当落ち前後はいろんな思惑が交錯しますので、株価は動きやすく、絶好の株式の買い場、売り場となることもあります。あらかじめその会社の実態や将来性をリサーチしておくと良いと思います。

 

まとめ

 一年の中で、3月末は配当落ち・権利落ちが集中しますので、自分の持っている株式のポートフォリオを見直す絶好のチャンスと言えます。配当落ちで株価が下落しても想定の範囲内であれば、慌てることなく、押し目買いを検討しても良いのではないでしょうか?

 以上はあくまでも皆様の投資行動を考える上でのご参考です。常にリスクを伴う株式の売買取引においては、投資をされる方はそのリスクを十分理解したうえで、投資について調査・検討し、自らの責任の下で投資を行わなければならないことをお忘れなく。

 

 

 

PVアクセスランキング にほんブログ村